2013年10月23日 11:07:32

神について思う

心の闇と神



脳科学や心理学、精神分析などが発達したお陰で、心の有り様が明らかになり、
心の病も解ってきた。

最近は、精神科の医療も進歩し、投薬のような治療法も確立されつつある。

ただ、自分は、現在、精神病とされている病の全てを、病だと片付けて良いのかどうか疑問に思う事がある。
病と言うよりその人その人の性格や気質、人生観のような問題のような気もするし、
病だと片付けたらその背後にある本質が見えなくなる気がするからである。
肉体的な病気とは、異質でもあるからである。
その人その人の生き方や人生、価値観と深く関わってもいるからである。
突き詰めると、人間の業とか、因縁の問題にまで至る。

精神病と言われる事の要因が先天的な事なのか、後天的な事なのか。
環境からくるのか、それとも、その人固有の経験や資質、性格に依る事なのか。遺伝的な要因すらあると言われている。

抑えられない衝動や性的欲望。普段は、おとなしい穏やかな人が豹変して凶悪な行動に走る。
妬みや嫉妬、やっかみ、深い怨恨、歴史的な恨み。
よく恨まれる側は、忘れても、恨む側は、いつまでも忘れないと言われる。

幼児期に受けた心の傷や何代にもわたる歴史的な恨み、宗教的な諍い。
ロミオとジュリエットではないが、容易には解決できない。

これらが原因で病的とも見えおるような行動を抑制できない。
これのような事は、薬や内科的、外科的な治療では癒す事はできない。

また、強烈な自意識と劣等感の間を揺れ動き、躁や鬱になる者もいる。
自意識が過剰なのも、劣等感も、歪んだ自己意識によるものである。
鬱等、一時的に薬によって症状を和らげることはできても、根本的に治癒できるとは限らない。

私は、主体性の喪失が原因なものも多く含まれていると考える。
アイデンティティの欠如である。
その原因としては、やはり、教育と家庭環境の問題があると思う。
今の学校教育のように、試験の成績や偏差値と言った無機質な数値によって、それも、特定の分野に限定した値によって、全人格まで評価されてしまう環境では、自己の人間性を否定的に捉えてもおかしくない。
また、核家族化が押し進み、家族が個別化されてしまうと自己を集団の中に位置づけたり、他の人と関連づけた意識を育むことか難しくなる。
この様な現在の教育環境や家庭環境は、個人の主体性を育みにくい環境だと考えるからである。
そして、更に本質的な原因と思われるのは、神の喪失である。

自分を許す。自分を許すためには、自分を超越した何者かの存在に縋る以外に救いはない。
心の問題は究極的には、信仰の問題に行き着く。

自己の存在価値が見失われ、自己の主体性が保てなくなった状態に置かれている人達である。
主体性が失われる状態によって自己の制御ができなくなり、
それによって自己否定的な行動や過剰な行動、異常な行動を引き起こすのである。
例えば、自殺や自傷行為といった事である。

いつも心が満たされない思いかが抜けずに、空虚、飢餓状態に置かれている。
自分の居場所がないから何をやっても虚しいのだろう。

自分の考えがあるようでない。そのために、自分の考えを上手くまとめられず、決断ができない。
それがストレスになって感情を制御できなくなり、自己の存在にも自信が持てない。
人を愛せないのではなく、愛している自分が信じる事ができない。

確固たる自分がないために、心の振幅か大きくなり、振り切れ、感情を制御できなくなる。
碇を下ろしてしっかりと停泊ができない船が嵐に揉まれているような状態です。

重要なのは、主体性の喪失という現象である。
彼等の多くは日常生活は、正常なのである。
ただ、何かの弾みやきっかけでおかしくなる。
謂わば、切れたり、壊れてしまうのである。

国家にも心があり、国家も心の病になる事があるように思える。
国家にも理性や感情がある。

国家を揺り動かし、革命や革新を引き起こし、或いは、戦争に導くのは、国民感情である。
だからこそ、多くの政治家は、国民感情に訴えるのである。

国家の主体性は、国家の独立と主権によって保障されている。

過去の記憶や国家間の関係によって国家の主権が傷つけられ、
それが国家の心の有り様を歪めている。

その歪みによって国家が国家としての独立や主権が危うくなり、国民感情が激高した時、
国家は制御ができなくなる。
そして、それは内乱や革命、戦争を引き起こす原因となる。
それは国家が均衡を失うことに依る。

我々は、国家、国民の心の声に耳を傾け。
国家の心の均衡を保つように努める必要がある。




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